こんにちは。歯科衛生士の宇井です。
先日、ご縁を頂き、三重県立川越高等学校の1年生に対し歯科保健指導の講演をさせて頂きました。
今回のテーマは『生きる力を身につける~口腔健康~』です。
高校を卒業すると、進学しても就職しても、会社の健康診断や学校検診での項目からなぜか歯科が外れてしまいます。将来自分の口腔健康を守るためには、まず口腔内の健康に興味を持つこと。そして、それにどれだけの価値があるかを知ってもらうことが大切だと思い今回の講演をさせて頂きました。
「健康な歯の価値と虫歯の予防」について歯科衛生士の坂から、私は「歯周病の予防とメインテナンスの重要性」についてお話をしました。
コロナ禍での講演の為、1学年全員を目の前にしてという形は残念ながら叶わず、1年1組に入らせて頂き、そこから配信という形での開催。幸いにも、完全にオンライン配信という形では無く、近くで生徒たちの反応を見られたので、話していて楽しかったです。
たくさん伝えたいことがある中で、今回特に伝えたかったことが『悪くなったら治すのではなく、今の健康を守ることの価値』と、『高校生にとって歯周病は他人ごとではない』の2つです。
生徒たちの現状を把握するための事前アンケートでは、約7割の生徒が歯ブラシ以外の道具を歯磨き時に使用しないとの結果でした。歯ブラシだけでは6割未満しかプラークを落とせない事実と共に、(当然、虫歯予防にも言えますが)歯周病の予防には適切な精度の高いプラークコントロールを行う事が非常に重要で、その為には歯ブラシと併せてデンタルフロスを正しく使用する事が有効。そうすれば精度を約9割にまで引き上げてくれるという事を動画などを使用し説明しました。
今回は(株)オーラルケアのご協力により、1年生の生徒全員(プラス先生方)にフロアフロスのサンプルをご提供頂けたので、宿題として「必ず今日中にフロスを一度使用してみよう」とお題を出して帰ってきました。
フロスの使い方の指導は、本来コロナ禍でなければ現地で実際にしてみたかったのですが、感染リスクを考え、説明動画を使用しての指導になりました。動画を一生懸命見てくれていた生徒さんの表情が印象的で嬉しかったです。
歯周病はお年寄りの病気ではありません。
実は高校生の時期が非常に重要なのです。なぜなら、歯周病菌への感染は10代に起こると言われているからです。最近ではもっと早いという説も出てきています。
歯周病菌が棲みついてやろうとお口の中にやって来た時に、歯磨きが不十分で歯肉に炎症がある状態だと歯周病菌は喜んで居つきやすいと言われています。10代の頃からきちんと歯磨きが出来ていてお口にやって来る菌が居心地の悪い環境を作っていくのが大切です。
この講演で、少しでも多くの高校生が歯周病から身を守れる人になってくれたら嬉しいです。
歯周病だけでなく、自分の健康を意識して守れる人になって欲しい!
そして、生涯自分の歯を1本も失うこと無く、自分の歯でおいしく食事やおしゃべりを楽しめることができたら素敵だなと思います。
自分で自分の健康を守ること、まさに生きる力です。
高校での講演はこれで3件目。
もっとたくさんのご縁があればと思います!!
歯周病を勉強する歯科衛生士として、『少しでも「将来歯周病に苦しむ人を」減らすことができたら』と常に思案に明け暮れ、そして少しでも私に出来ることがあれば実行していきたいと考えております。
『もっと早く予防していれば良かった』という声が少しでも少なるなることを願っています。